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模倣品のグローバル拡散への対応

  • 土屋晶義
  • 2020年3月25日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年6月3日


1)世界に流通する貨物の3.3%に模倣品・海賊版

 直近のOECD公開のデータ(2019年3月)によりますと、世界に流通する貨物の3.3%

(2016年から0.8%アップ)に模倣品・海賊版が含まれており、その額は日本円にして

51兆円に上るとされています。

 御社のグローバル事業の3.3%に相当する模倣品が流通していると仮定すると、どの

ような対策を講じるべきか検討することは重要な経営課題ではないでしょうか?

 売れ筋であれば、その率は更にあがる前提で対応を検討されるのが、より現実的と

言えるかもしれません。


2)半分以上が中国で製造、その7割が輸出へ

 これらの模倣品の半分以上が中国で製造されていること、その7割が輸出されている、

と推定されることが、経済産業省の日本企業への模倣品被害アンケート結果(2006年度)

にありました。

 なお、現在でも当時とほぼ同じ傾向であることが、2019年年度版『模倣品・海賊版対策

の相談業務に関する年次報告』での最近の企業へのアンケートから読み取れます。

3)出元の中国で叩くのが最も効果的

 模倣対策は、模倣品サプライチェーンを断ち切ることに挑戦することとサービス内容紹介で述べています。

 製造元の中国で、作らせない、売らせない、輸出させない、という元を叩くという、中国内での模倣品サプライチェーンを断ち切ることが、最も効果的であることが、対応経験豊富なグローバル企業の経験測として言われています。(QBPC模倣対策団体メンバー企業他)


 中国では侵害行為も多いですが、その分、法執行に慣れ実施件数も多く、ASEAN諸国などと比べても格段に実施環境が整備されていることも事実です。

 ところが、ひとたび中国から輸出されると、日本や欧米等の税関差し止めが期待できる国を除いては、輸入国で模倣品サプライチェーンを断ち切ることは、制度上の問題もあり、残念ながら結果を期待しにくいのが現実です。

4)増々巧妙化する侵害行為に対抗するには

 このようなことから侵害者にとっては、模倣品輸出は儲かる事業であり摘発リスクも少なく、一度味をしめるとなかなか模倣行為を止めません。

 これらの背景から、これもサービス内容紹介で述べたように、摘発を回避するため、権利を取る、分業化により侵害認定をされ難くする、また、夜間操業、少量生産、などにより技術的、費用対効果の面で権利者が摘発し難くする、など増々巧妙化が進んでいます。


 これらの巧妙化に対し、的確に結果を求めるには、隠匿性の高い案件でも結果を出し、最適解となる対策を検討し、執行機関との人脈や業務能力に長け、豊富な成功実績を持ち、不正行為の心配のない信頼できる調査会社や知財事務所との協働が不可欠となります。


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