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  • 土屋晶義

QBPCとの出会い

更新日:2020年6月3日

1)QBPC:優良ブランド保護委員会(中国知財保護改善ロビー団体)

中国がWTOに加入した2001年のクリスマスイブに広州赴任となりました。

それまでに中国はTRIPs協定適合はしたものの、現場執行に係る知財保護弁法や省令など法

・制度確立が充分でなく、模倣行為は(法治でなく)放置状態に近い状態であると、当時QBPCの主要メンバーが言っていました。

 中国に投資している世界のグローバル企業も当然模倣品による被害が看過できないこと

から、中央政府の商務部の承認を得て、知財保護環境の改善を要求するロビー団体を組織して抜本的な対策をとることになりました。

 これらは、GMをはじめとする当時グローバル企業約150社(うち日本企業は10社程度)であり、メンバー企業の中国投資額は約10兆円といわれ、それを後ろ盾としたバーゲニング

パワーを活用した陳情ロビー団体でした。

2)先駆的取締りに学ぶ

 赴任前の北京出張時に、すでに弊社はメンバーであったため現地責任者に無理を言って

定例会議に参加することにしました。 

 QBPCの下調べをしていたので、主要メンバーに模倣品の現場執行などに関する質問をしたところ、被害額算定手法、明確な目標と毅然とした姿勢を貫いているなど対策のプロとしての覚悟と使命感に感銘を受け、今後これら先駆的対応をしているメンバーから学ぼうと思いました。


3)家電WG座長

 広州赴任の2,3か月後、権利行使の経験を一通り経験したところで、QBPC定例会議と家電WGの会合にメンバーとして参加しました。

 当該座長は弊社とも連携している知財事務所の弁護士が兼務していましたが、権利者である弊社がやるのが好ましいとの発議が出て、全会一致の承認を得ました。

 個人的には、座長を受けようとしましたが、本社の承認を得る必要がありました。

当初、本社からは、仕事に差し支えるとして反対されていましたが、業務量が何とか自分でマネージできること、業務は主に土日を使い業務に支障ないようにする、などを説明し承認にこぎつけ、正式に座長を受けることにしました。



4)ベストプラクティスに繫げる

 ステアリングコミッティーと呼ばれる委員会の方向性を決めるリーダー会議は、本会議前の2時間程度を使っていたと記憶しています。

 コミッティー役員、各委員会委員長、WG座長で構成される会議が大変密度の濃い内容で、参加者のマジョリティを占める中国人弁護士等により議論が伯仲すると、しばしば中国語での議論となることもありました。

 言葉がわからない我々は、後から要点のみの英訳をしてもらうなど、苦労もありましたが、先駆的対応をしているメンバーからベストプラクティスのヒントとなる貴重な情報を得ることができました。


 *税関差し止めの確率を上げるには、どうしたらよいか、

 *摘発困難な東莞、寧波、ウルムチ、などで摘発を成功するには、

 *展示会での侵害品・カタログ等の出展品を取下げるには、

 *高級百貨店や政府購入での侵害品の効率的な取り締まりの仕方、 

 *国内販売等がなく、侵害実態の把握が難しい案件の対応策、


 などなど、それぞれのアクションにおける、ベストプラクティスは、企業秘密に関わる

デリケートな部分も含めて、同じ目的を持つメンバーとしての信頼関係もあり、弊社の知財

保護活動に大いに参考にさせてもらいました。



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