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  • 土屋晶義

二次電池巧妙化対策

更新日:2020年6月3日


1)巧妙化への対応

 当時、数元のマンガン電池に比べ、二次電池は1000元以上するため、一度味をしめた模倣者は侵害行為をなかなか止めませんでした。  

 更に、権利化や侵害行為とみなされないように分業化したり、小包で送付したり、権利者が摘発に二の足を踏むような小口生産など、ありとあらゆる手段を使って、摘発をのがれる巧妙化が増々進化していました。  


 摘発を重ねれば、重ねるほど対応することが増々困難になっている事を痛感せざるを得ませんでした。

 それでも、対抗することが不可避であれば、それらと向かい合って、あらゆる経験、知見を駆使して成果を出すことになります。

 模倣対策で成果を出すには、それをやり切るまで頑張る覚悟と使命感が絶対に必要であるというのが模倣対策現場に身を置いてきたものの持論です。

2)巧妙化案件と対策事例

 過去経験した巧妙化事案と対策について要点のみを述べたいと思います。

 全ての事案で自らの右腕となって関係部門との調整をしていただいたH氏、調査会社・事務所の協働がなければ成しえなかったことです。

 残念ながら核心的なところはノウハウ・企業秘密に関わることが多く、詳細には触れられないことをご理解願います。

 なお、ECサイト対策については別のブログ『儲かる二次電池模倣品』をご覧願います。

*夜間操業

 過去の侵害者データーから絞り込んだターゲットを調査会社の継続監視により夜間操業を特定した。

 所轄の工商行政管理局(AIC)に夜間摘発を依頼、裁判所の許可を得て夜間現場摘発を実施して成功に導いた。

*少数生産

 多発する侵害行為に対抗するため、費用対効果の観点より、〇〇〇台以下は摘発しないと限られた調査会社に伝えていたが、侵害者にも知れるところとなった。

 そこで過去の侵害者データより、所謂インフルエンサーを摘出して、少数ロットでも摘発を行い、弊社は『小数ロットでも摘発する』ことを侵害者間にアピールすることにした。

*市を跨いでの再犯

 広州市と深セン市の間に位置する東莞市で再犯したものが、重犯をおそれ市を跨いだところへ移動して模倣行為をする可能性が高いので、追跡調査をしたいとの調査会社の希望を受け入れた。

 隣接する市の移動先を特定し、侵害行為の現場を現行犯摘発するに至ったもの。

その後の定期監視で弊社の模倣品は作らなくなったことを確認。

*国内販売・ECサイト、展示会出展ない模倣品輸出

 中国国内での侵害の痕をのこさない、携帯電話によるホットラインだけのやりとりで、製造即輸出という最も摘発が困難なケースだった。

 独自のプロファイリングと展示会出展品取下げとECサイト削除後のデータ解析により、侵害候補を摘出、絞込みを着実に行ったことが成果に結びついた。ホットラインでの会話が侵害の証拠認定となった。

 我々の摘発情報が侵害者間でも共有化されていることを逆手にとり、「このような巧妙な案件でも摘発された、手ごわい権利者なので、今後この権利者のブランドや権利侵害はしない」と言わせることが目的だった。



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社内模倣対策体制構築を

1)模倣対策=摘発ではない 中国でも帰国後も様々な機会に模倣対策の話をしていますが、模倣対策=摘発 と考える方がかなりおられましたが、それは誤りです。 仮に摘発しても、模倣行為を簡単にやめず何度も再犯したり、摘発すればするほど、摘発を逃れるため模倣巧妙化が進み、摘発が増々困難になり、高額の費用を費やすことになります。摘発できても解決できない課題がありますし、また、摘発さえしていればそれで良いとうほ

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