1)儲かる二次電池模倣品
単価の安いマンガン電池と異なり、二次電池は、デジカメ用1000元以上と高額なため、
マンガンよりはるかに利益を稼げるとして、模倣品の拡散は大きくなって行きました。
勿論過充電などに起因する爆発リスクを回避するための保護回路の取り付け等、マン
ガンと比較できないほど複雑で精巧なモノづくりが必要で製造コストも高いですが、
当時、EC侵害サイトでは、平均売価が正規品の1/4程であったことを記憶しています。
2)再犯多発と増々進化する巧妙化
正常に機能しない粗悪品もあり、液漏れにより顔など皮膚を傷めたり、飛行中にラップ
トップPCの爆発などを引き起こす事故などが起こってくると共に、保護回路が正常に機能
しない粗悪品が非常に多いことがわかってきました。
一方、一度味をしめた模倣業者は、仮に初回摘発されても、禁固刑など重罰がなく、ほとんどのケースで再犯を繰り返すこと、摘発を回避するため巧妙化が増々レベルアップしていること、が徐々にわかってきました。
3)安全面から摘発優先
とくに二次電池が使用されているのが、デジカメ、ビデオDVDムービー、携帯、ラップ
トップPCなどであり、液漏れ、爆発などを起こし、安全・健康に危害を与える事故が多発
していました。
また、模倣品も多発してきたので、使用者の安全を守るために最優先摘発案件として
抜本的な対策を講じることになりました。
一つは、市場への注意喚起であり、2つめはECサイト対策を含めた巧妙化対策です。
中国販売トップに「二次電池模倣品の注意喚起と、正規品は正規代理店での購入を」等
の注意喚起をWEBサイト等で実施することを要請するも、あえて模倣品があることを開示しなくともという理由で賛同得られず、結果として実施するまで1年費やしました。
その後、この種の市場への注意喚起は日系企業でも普通に利用されるようになりました。
4)EC侵害サイト対応
巧妙化対策のうち、EC侵害サイト対策以外は、追ってアップします。
淘宝ECサイトを1週間調べたところ、1000件以上のサイトでデジカメ用二次電池の模倣品が掲示がされていることが判りました。
その中から、商標・パッケージ・携帯が同じ、いわゆるデッドコピー品を約100件摘出して、弁護士からサイト運営者に商標権侵害を根拠とするサイト写真や自社権利などのエビデンスを準備して、該当サイトの削除を申し入れました。
すぐサイトは削除されたことを確認するとともに、定期的なサイトウォッチを弁護士に
依頼して、初回と同じプロセスで、継続して対象サイトを削除していきました。
サイト名を1文字変えたら新サイト開設できるので、すぐ再犯することを織り込んで、再犯者と特定できるものから優先的に、適度な間隔・頻度で削除を繰り返しました。
そうしないと期待できる効果が得にくいとの経験則に沿って、愚直に実行していました。