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  • 土屋晶義

調査会社の上手な起用法(応用編)

更新日:2020年6月3日


1)巧妙化対応のための考え方など

 応用編は、知財駐在員や摘発経験豊富な現地駐在員向けにまとめたものでした。

 摘発をするに従い、ブログ『展示会模倣対策』でも述べているように、侵害行為も巧妙化が進むことは多くの方が経験されていることです。

 権利面でも始めはデッドコピーだけですが、摘発が進むと、類似商標、意匠権侵害から類似、特許侵害と摘発を逃れるために巧妙化が進化していきます。

 このような巧妙化にも摘発に結果を出すためには、単なるもぐらたたきでは対応できないので、調査会社任せにせず、侵害行為特定に供するための知恵を出し合うことは不可欠となると言ってもいいでしょう。

2)統計や確率など客観テータを駆使

 当初は調査会社がたまたま市場で目に付いた模倣品を通報し、摘発に結びつけてきたというのが普通でした。

 しかし、摘発が増えれば増えるほど(3年半で500件程)、前述のような巧妙化が進むと共に侵害行為の特定が難しくなってきました。

 そこで、こちらが摘発実積データなどを駆使した侵害者絞込み案を出し、トライする調査会社の確保と少しずつ難易度をあげながら調査能力のレベルアップをしていきました。 

 実績・統計など客観データを駆使した該当者の絞込みの一例を簡単に紹介します。

 ・侵害品製造地域に加え、自社摘発実績データを加味した侵害地域を絞込み

 ・展示会調査・展示品取下げ実績からの再犯可能性分析による絞込み

 ・製造インフラ(380V特殊電源設備など)分析などからの絞込み

 ・主要部材、パッケージ、印刷物供給元からの情報収集による絞込み

 ある程度地域が特定できたら、その地域に強い調査会社を起用して侵害行為の調査

を行うことで、隠匿性が高い事案でも摘発に漕ぎつけるようにしていました。

 模倣案件は当然ながら都度内容が変わりますので、案件毎に衆知を集めた特定手法

と調査員の不断の努力により、最も巧妙化が進んだ中国内での販売、展示会出展

を伴わないステルス型輸出侵害案件であっても、摘発に結び付けていきました。




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